診療紹介
徳島大学病院矯正歯科では、上顎前突(出っ歯)、下顎前突(受け口)、叢生(歯のガタガタ)などの一般的な不正咬合から、骨格性の不調和を伴う顎変形症や、先天性疾患を伴う不正咬合まで、幅広い症例に対して、専門的な矯正歯科治療に取り組んでいます。
歯並びやかみ合わせを改善することによって、患者さま一人一人の生活の質を、少しでも向上できるように努めています。
白い矯正器具を用いたり、歯の裏側に器具を装着することで、表から装置が見えにくい、目立たない矯正治療を行うことも可能です。
レントゲン写真等による通常の検査に加えて、3D-CT、MRI、顎運動計測装置、咀嚼筋筋電図測定、咬合力計測装置、三次元非接触型顔面形態計測装置などの機器を用いた検査を行います。これらの検査結果に基づいて、全ての患者様の治療において、ケースカンファレンスを行い、それぞれの患者様の症状に応じた、適切な治療法を検討します。
一般的な治療期間について、成長期以降のマルチブラケット装置を用いた治療は平均約2年半、毎月の通院で合計通院回数は約30回となります。但し、成長期の患者や先天異常を有する患者の矯正治療では、より長い期間を要することになります。
【主な診療内容】
上顎前突(出っ歯)、下顎前突(受け口)、叢生(歯のガタガタ)、開咬(前歯がかみ合わない)、空隙歯列(すきっ歯)など、様々な歯並び、かみ合わせの不正を治療します。
また,下記のような専門的治療も行っています。
・顎関節症を伴う不正校合:顎関節症の病態を、関節断層撮影(歯科放射線科にて撮影)、MRI撮像(放射線部にて撮影)、顎運動測定、咀嚼筋筋電図測定を行うことで診断し、咬合状態の改善を行います。
・歯の萌出障害:隣在歯の移動や、歯牙腫、のう胞性疾患などにより生じた萌出障害歯を牽引して、正常な位置へ誘導する治療を行います。
・先天性疾患に伴う不正咬合:口唇・口蓋裂、第一・第二鰓弓症候群、鎖骨頭蓋異骨症、Crouzon 症候群、Treacher-Collins 症候群、Pierre Robin症候群、Down 症候群、Russell-Silver 症候群、Turner 症候群、Beckwith-Wiedemann 症候群、尖頭合指症などの種々の先天性疾患による不正咬合の治療を行います。一部の先天性疾患においては、矯正治療に健康保険が適用となる場合があります。
・顎変形症:骨格性の不調和を持つ顎変形症に対して、上下顎骨骨切り術、顎骨・歯槽骨の仮骨延長法を併用した矯正治療を行います。これらの外科手術を伴う矯正治療においては、健康保険が適用となります。
【料金について】
①保険適応外の治療
・初診料(相談料) 4,846円
・全顎矯正治療
1. 成長期の矯正治療から開始される場合
第1期治療(乳歯列期〜混合歯列期):34万円〜
第2期治療(永久歯列期):32万円〜
2. 永久歯列完成後から開始される場合
歯の表側に装着する装置:62万円〜
歯の裏側に装着する装置:93万円〜
マウスピース型カスタムメイド矯正装置:70万円〜
・部分矯正治療:24万円〜
*診療毎に、観察料3,960円もしくは調節料6,160円が別途必要です。また、矯正治療の内容や使用する矯正装置の種類および治療期間によって料金が異なります。
②保険適応の治療
矯正歯科治療は保険適応外ですが、下記の場合に限り保険診療の対象となります。
1. 顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前および手術後の矯正歯科治療。
2. 前歯3歯以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る)に対する矯正歯科治療
3.「厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療。
【矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について】
1. 治療開始後しばらくは矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間から1、2週間で慣れることが多いです。
2. 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
3. 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
4. 治療中は、装置が付いているため歯を磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
5. 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
6. ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
7. ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
8. 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
9. 治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
10. 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
11. 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
12. 矯正装置を誤飲する可能性があります。
13. 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
14. 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
15. 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
16. あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。また、成長発育は予測が困難であるため、成長期の矯正歯科治療を行なったとしても成長後に手術を併用した矯正歯科治療が必要になる場合があります。
17. 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
18. 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しいですので、リスクや副作用についてよくご理解いただく必要があります。
【診療時間のご案内】
*月、木、金は、時間延長して診療を行っております(最終予約:午後5時)。
(但し、春季[3月第4週~4月第1週]、夏季[7月第3週~8月]、冬季[12月第4週~1月第1週]の各期間は除く。)
会計は午後5時15分までとなっておりますので、時間に余裕をもってご来院ください。
初診相談(随時受付、予約不要):午前9時から午後3時まで(月~金)
再 診(予 約 制):午前9時から午後5時まで(月、木、金)
午前9時から午後3時まで(火、水)