診療紹介

「高齢期を心身ともに健やかにすごすための健康を獲得するために、成長発達期に健康意識、健康行動、口腔健康増進を育む」この使命の下、当科では新生児期から成人するまでの健康児、障害児および有病児、すなわち全ての小児を対象に、下記の診療内容、育児支援を行っている。小児の歯科不安、歯科恐怖を予防・軽減するために、小児の行動科学に基づく診療を実施していること、小児科からのオンコールに応え病棟へ往診に行くことが日常的であること、および摂食嚥下機能障害児の機能療法や睡眠時無呼吸の歯科的対応を行っていることなども本診療科の特徴の一つです。

主な診療内容
1.う蝕の予防・治療
2.歯列・咬合育成
3.小児の歯・口・顎骨の外傷処置
4.小児の顎関節症の治療
5.埋伏過剰歯・歯牙腫・含歯性嚢胞・粘液嚢胞などの摘出、上唇小帯・舌小帯の伸展術などの外科的治療
6.成長発達期の摂食嚥下機能訓練
7.小児の睡眠時無呼吸に関する歯科的対応

スタッフ紹介

トピックス

小児歯科を受診される皆様へ

 小児歯科は、お子様の口腔領域のう蝕(むし歯)、外傷歯、かみ合わせの異常、埋伏過剰歯などの疾患や異常の予防と治療を行うことによって口腔の健康を管理し、顎顔面領域の正常な発育をはかり、お子様の健康を守ることを目的としています。
 乳歯のむし歯が痛くさえなければ、どうせはえかわるからとお考えの保護者の方もおられるかも知れませんが、乳歯のむし歯を放置すると永久歯の色や形に異常が生じたり、歯ならびが悪くなったりすることもあります。また、よく噛めないために顎の発育に異常が生じたり、食欲不振、好き嫌いなどを招き、からだ全体の健康にも悪影響を与えることがあります。時には前歯のむし歯や歯ならびの悪さを気にして思いきり口をあけて笑わない子もいます。
 こうしたいろいろな悪影響を予防するためには、乳歯のむし歯を治療するだけでなく、積極的に口の中の環境をむし歯のできにくいものにして、新しいむし歯を作らないことが大切です。そうして、正常な咬み合わせ(歯ならび)になるように誘導して健全な永久歯列を育成することが大切です。
 また、口呼吸があるとう蝕や歯肉炎だけでなく、歯並びに影響したり、いびきや就寝中に息が止まる睡眠時無呼吸にかかったりしている場合があります。特に睡眠時無呼吸にかかっている場合、学業成績の不振や低身長、そして夜尿など、大事な成長期にいろんな影響が出る場合があるといわれています。
 これらに対応した口腔の健康管理を行うためには、歯列・咬合が完成し、顎関節部の発育が完了し、歯肉に対し生理的影響を与える思春期が終了する20歳頃まで、定期的な健康診査をすることが必要です。
 当科では初診時に口腔内の検診をし、必要に応じて応急処置を行ったあと、主治医を決定します。
 主治医による治療および予防処置が終わりますと、3~6か月間隔で定期健康診査(予防処置、咬合誘導処置)を行い、20歳頃まで当科で、むし歯がなく、正常な歯ならびになるよう、お子様の口腔内管理をいたします。