診療紹介
当科では、「拡大切除・機能喪失から低侵襲・再生外科へ」をスローガンに、消化器外科での鏡視下手術の標準化や、肝移植をはじめ膵島移植の臨床応用などを目指し、日夜研鐙を積んでいます。
<肝胆膵領域での治療>
・肝移植
非代償性肝硬変や劇症肝炎、肝細胞癌(ミラノ基準内)に対して、他の治療法による延命、救命が困難な症例に対し、生体肝移植を施行しています。また、移植後の肝炎ウイルス治療や肝細胞癌の移植後再発の防止、治療に取り組んでいます。
・肝胆膵領域の悪性疾患に対する集学的治療
3D画像解析による術前の詳細な検査に基づき、根治を目指した積極的な手術を行っています。また、進行度に応じて補助化学療法などの集学的治療を行い、進行癌の予後向上に取り組んでいます。
<消化管領域での治療>
・悪性疾患に対する治療
現在胃癌、大腸癌に対しては腹腔鏡手術を標準手術として行っており、高難度手術も実施しています。ロボット支援手術は胃切除術、直腸切除術で導入しており、2021年には両術式ともに100例を越え、今後も増加していくと思われます。
下部直腸癌に対しては術前化学放射線療法を施行しており、予後の改善、肛門温存に努めております。直腸癌の中でも特に腫瘍が肛門に近い症例に関しては、経肛門手術(TaTME)を導入し、確実な腫瘍の切除、肛門温存に努めております。
手術不能の進行癌、再発癌症例については化学療法、化学放射線療法を行い、奏功例に手術を導入する集学的治療を行っております。
・高度肥満症例に対する腹腔鏡下手術
中四国で初めて高度肥満症例に対する腹腔鏡下スリーブ手術を導入し、内科医師、栄養士、リハビリ、心理士など他職種との連携のもとで良好な成績を得ております。また術後もこれらの連携を行っており、患者さんのサポートをより強固なものにしています。