• 急性期脳梗塞患者の早期リハビリテーション開始率
  • 悪性腫瘍患者(5大がん)の周術期リハビリテーション実施率
  • ICU患者における早期離床・リハビリテーション実施率
  • 安全管理が必要な医薬品に対する服薬指導実施率
  • 退院時の服薬指導実施率

(R02-010)急性期脳梗塞患者の早期リハビリテーション開始率

指標定義(分母) 急性期脳梗塞発症3日以内に入院し、入院中にリハビリテーションを実施した退院患者数
指標定義(分子) 入院してから4日以内にリハビリテーションを開始した患者数

【考察】
当院SCUには急性期脳血管障害、特に緊急でtPA治療や血栓回収術を要する可能性のある脳梗塞を疑う患者が搬送され、緊急対応を行っています。
基本的に、SCU入院の脳梗塞患者はほぼ全例リハビリテーション依頼が入院当日、もしくは翌日には依頼を受けています。
分母の「急性期脳梗塞発症3日以内に入院し、入院中にリハビリテーションを実施した退院患者数」は、多少の年次変化は見られても大きな変化はないと言ってよいです。
分子の「入院してから4日以内にリハビリテーションを開始した患者数」は、基本的に、主科(脳神経外科、脳神経内科)からリハビリテーション依頼を受けた当日にリハビリテーション科医が診察し処方を行い、可能であれば同日からリハビリテーションの開始を療法士に依頼しています。ただし緊急処置や処置後で状態が安定しない場合は、翌日もしくは翌々日からの開始となっています。また土日は実施できていませんが、2023年4月から3連休や年末年始、GWの休日診療を開始したため、分子数は増えたと考えます。
他大学でも休日診療を行っている施設はありますが、まだ行っていない施設もあり、そのため当院の早期リハビリテーション開始率が全国平均を上回る結果となっていると考えます。

徳島大学の数値と全大学平均との比較

徳島大学の数値と全大学平均との比較

徳島大学の数値と全大学平均との比較

(R02-011)悪性腫瘍患者(5大がん)の周術期リハビリテーション実施率

指標定義(分母) 悪性腫瘍(5大がん)の手術を実施した退院患者数
指標定義(分子) リハビリテーションを実施した患者数

【考察】
分母の「悪性腫瘍(5大がん)の手術を実施した退院患者数」は、コロナ禍の影響があった年もありましたが、昨年からは回復しているようです。
分子の「リハビリテーションを実施した患者数」は、5大がん:肺癌、大腸癌、胃癌、乳癌、肝臓癌でのリハビリテーションが対象となります。どの疾患も基本的に術後経過が良く、早期退院できる症例では、リハビリテーション依頼をされていないことが多いと思われます。また重症例では、リハビリテーションの依頼を受けても、患者自身がリハビリテーションの介入を希望せず、実施できない場合が少なからずあります。
ここ数年、消化器系の癌患者は、術前からの早期リハビリテーション介入の依頼が増えています。その理由として、術前からリハビリテーションを行うことで運動耐用能や呼吸機能の向上が得られ、術後経過に好影響を及ぼすことや、肥満傾向の方の減量、耐糖能の改善が見込めることが挙げられます。これにより分子数は増加傾向にありますが、他大学でも同じような取り組みが行われていると思われます。

徳島大学の数値と全大学平均との比較

徳島大学の数値と全大学平均との比較

徳島大学の数値と全大学平均との比較

(R03-001)ICU患者における早期離床・リハビリテーション実施率

指標定義(分母) 特定集中治療管理料を算定した退院患者数
指標定義(分子) 早期離床・リハビリテーション加算を算定した患者数

【考察】
当院では、2021年から「早期離床・リハビリテーション加算」の算定を開始し、翌2022年から本格的にシステムを稼働させています。
分母の「特定集中治療管理料を算定した退院患者数」に関しては、ここ数年著明な変動はなく推移しています。
分子の「早期離床・リハビリテーション加算を算定した患者数」に関しては、本格的にシステムが浸透した2022年には、ほぼ全国大学平均に到達しました。以後、全大学平均を上回る結果となっています。要因として、積極的に救急治療班、担当医、看護師、リハビリテーション療法士など多職種で協力し、重症例でも早期からリハビリテーションを開始し、廃用予防、早期離床を目指した治療を行っていることが挙げられます。ただし、超重症例や術後管理目的での入室で早期退室するような症例、長期にICU管理となっている症例などは、分子対象とはならないため、今後は一定数でとどまる可能性があります。

徳島大学の数値と全大学平均との比較

徳島大学の数値と全大学平均との比較

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(R03-002)安全管理が必要な医薬品に対する服薬指導実施率

指標定義(分母) 安全管理が必要な医薬品を投与した退院患者数
指標定義(分子) 薬剤管理指導料1を算定した患者数

【考察】
安全管理が必要な医薬品に対する服薬指導は行っていますが、薬剤管理指導料1を算定できていないケースがありました。2023年度後半より、可能な場合は薬剤管理指導料1の算定を行っており、2023年度の算定件数は増加しています。

徳島大学の数値と全大学平均との比較

徳島大学の数値と全大学平均との比較

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(R05-001)退院時の服薬指導実施率

指標定義(分母) 退院時転帰が死亡ではない退院患者数
指標定義(分子) 退院時薬剤情報管理指導料が算定された患者数

【考察】
薬剤師の人員不足により退院時薬剤情報管理指導料に係る十分な介入がおこなえていない状況です。薬剤師のリクルート活動と人材育成ならびに当件数の増加に向けて努力していきます。

徳島大学の数値と全大学平均との比較

徳島大学の数値と全大学平均との比較

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