難病心アミロイドーシスの新しい治療薬タファミジスとは
心アミロイドーシスとは
アミロイドという蛋白質線維が心臓に沈着し、心臓肥大を来す病気です。進行すると心臓の働きが低下し、息切れやむくみなどが出現する心不全という状態となり、命を縮めます。この病気は主に2つのタイプに分けられ、血液細胞の異常により免疫をつかさどる抗体蛋白の一部がアミロイドとなり心臓に沈着するタイプと、肝臓から異常トランスサイレチンとういう蛋白が産生されアミロイドに変化し心臓に沈着するトランスサイレチン型心アミロイドーシスと呼ばれるタイプがあります。
心アミロイドーシスの診断
心臓の筋肉をカテーテルで一部採取し、顕微鏡で観察し、アミロイドが沈着していることを証明することで診断されます。またシンチグラフィーなどの画像検査や採血にて遺伝子検査を行います。
これまでの治療
血液細胞の異常によるアミロイドーシスに対しては、抗体蛋白の産生を抑える化学療法が従来から行われておりますが、トランスサイレチン型心アミロイドーシスに対しての根本的治療は皆無でした。
新しい治療薬
タファミジスという薬剤が開発され、トランスサイレチン型心アミロイドーシスに対して、徳島県では徳島大学病院にて治療できるようになりました。タファミジスは、不安定な異常トラスサイレチン蛋白を安定化させ、アミロイドに変化するのを抑制し、心臓におけるアミロイド沈着を防ぐ薬剤です。
患者さんへ一言
心アミロイドーシスと診断されても、様々な条件がありすべての患者さんにこの新しい治療を行えるわけではございませんが、心アミロイドーシス患者さんの新しい治療の選択肢になると思われます。早期診断・治療により病状の進行を抑えることが見込めるため、ご担当の先生と相談して専門病院を受診することをお勧めしいたします。