総合アレルギーセンターとは
総合アレルギーセンターは、令和2年4月に当院に設置された新しいセンターです。当センターが設置された背景には、アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減、アレルギー疾患医療の均てん化の促進、アレルギー疾患を有する者の生活の質の維持向上等を目的としたアレルギー疾患対策基本法が制定されたことにあります。この法律に基づき、都道府県ごとにアレルギー診療の中核施設となる拠点病院の選定が行われ、徳島県では平成31年1月29日に徳島大学病院がアレルギー疾患医療拠点病院として指定されました。
そこで徳島大学病院ではアレルギー対策に体系的に取り組むため総合アレルギーセンターを設置しました。アレルギー疾患診療と関連の深い呼吸器・膠原病内科、小児科、耳鼻咽喉科・頭頸部外科、皮膚科、眼科、かみあわせ補綴科、そしゃく科、看護部、治療薬に関係する薬剤部、食事療法に関わる栄養部、医療、保健、福祉に関わる患者支援センターの代表者やアレルギー専門医により構成されています。
令和2年度からアレルギー診療に従事している関係者の院内での連携を深め、情報共有を図る目的に「院内連携カンファレンス」を開始しており、第1回(令和2年度)は、金属アレルギー、食物アレルギー、呼気一酸化窒素検査について、第2回(令和3年度)は、薬剤アレルギー、アレルギー性鼻炎、栄養部の取り組みについて、第3回(令和4年度)は、眼科、耳鼻咽喉科・頭頸部外科での疾患への取り組みやステロイド外用薬について、第4回(令和5年度)は、令和5年11月29日に重症喘息と生物学的製剤、遺伝性血管性浮腫(HAE)、アレルギー専門メディカルスタッフの認定制度である小児アレルギーエデュケーター(PAE)を取得した看護師からPAEや多職種連携に関する講演と討論が行われました。専門家であるセンターのメンバーだけに留まらず、院内の医療従事者に公開し、病院全体として診療レベルの向上に繋げたいと考えています。また、アレルギー疾患医療に携わる医療従事者を対象としたアレルギー疾患対策研修会と、患者やその家族、地域住民に適切な情報を提供するアレルギー疾患県民公開講座を行っています。
今後は、多職種が参加する症例カンファレンスを実施するなど幅広い観点から、アレルギー疾患の予防や治療に積極的に関与するとともに、将来、センターとして臓器横断的、集学的な対応へ移行することを目指し、アレルギー専門医に加え、小児アレルギーエデュケーター、アレルギー疾患療養指導士などの人材育成も進めています。