診療紹介

当科では、「患者さんの歯を健康に守る」というミッションを掲げており、むし歯(う蝕)などによって歯が失われたとしても、それ以上大きく歯を削らないで温存する低侵襲の接着修復治療と、重度のむし歯などにより引き起こされる歯髄炎や根尖性歯周炎に対する、いわゆる“歯の神経の治療”を専門的に行っています。さらに、ホワイトニング(歯の漂白)といった低侵襲審美歯科治療にも対応しています。

主要疾患

むし歯(う蝕)

初期のむし歯は、歯を削らず、再石灰化療法など進行の予防と管理を行います。残念ながらむし歯などで冒された部分が穴を作ってしまい歯を削るとしても、なるべく健康な部分を削らない、コンポジットレジンやセラミックスなどの生体材料を使った接着歯科治療を行います(保険治療と自費治療があります)。術後は再発の予防のためメインテナンスが必要です。

歯髄炎

むし歯が進行して歯がずきずき痛くなるなど、歯髄(歯の神経)が炎症を起こした場合、局所麻酔を行ったうえで、歯髄を取り除き、症状を消退させて根尖(歯根の先端)部の治癒を図る治療を行います。

根尖性歯周炎

根管(歯根の内部)に細菌が増殖し根尖に炎症が生じた場合、咬んだときに痛みが出たり、根尖部の骨が溶けて歯茎が腫れたりします。無症状の場合でもレントゲンを撮影することで発見されることがあります。これらの疾患に対しては、感染した根管壁を切削し、根管の細菌を排除することで、溶けた骨の回復を図る治療を行います。

象牙質知覚過敏症

冷たいものや温かいものを飲食するときによくしみます。原因を精査し、必要に応じてしみる部分に薬剤を塗るなどします。

歯の着色・変色

着色した歯には専門的クリーニング、加齢やう蝕など様々な理由による変色した歯に対して、歯のホワイトニング(漂白)を行います。健康保険が適応できないため、基本的に自費治療になります。

治療実績

特殊コンポジットレジン修復

高強度のコンポジットレジン(セラミックスとプラスティックの複合材料)を用いて、むし歯などで失われた部分を、機能と審美を回復します。歯をなるべく削らない低侵襲治療であることから、一般的なむし歯治療だけでなく、1歯程度の欠損、広範囲修復、多数歯の修復症例についても適用範囲を拡大し応用しています。長期的には、境目が着色する、コンポジットレジンが破損する可能性がありますが、状況に応じた補修を行うことで長持ちさせることが可能で、健康な歯を削る治療を先送りし少しでも歯の保存ができるように心がけております。

症例:50代の女性。メタルインレー(銀歯)の見た目を改善したい。

治療内容:メタルインレーの除去および特殊レジン修復(複雑)

治療期間:1日間 来院回数1回

費用:33,000円(自由診療)

リスク:コンポジットレジンや歯面処理時に使用する接着剤にアレルギーのある患者さんは治療ができません。また、噛み合わせが強く当たる部分はコンポジットレジンが破損するリスクがあります。

歯の漂白(ブリーチ)

歯の漂白(ブリーチ)治療には、診療室で行うオフィスブリーチとご自宅で行うホームブリーチがあります。治療前にカウンセリングを行い、患者さんに合った方法を提案します。使用する薬剤は、医薬品医療機器等の法律上の承認を得ているものを使用します。また、漂白(ブリーチ)処置時に起きやすい知覚過敏についても、予防処置を実施します。

症例:40代の女性。ホワイトニングで歯の色合いを明るくしたい。

治療内容:カスタムトレーを用いたホーム漂白(ブリーチ)(両顎)

治療期間:14日間、来院回数:3回

費用:44,000円(自由診療)

リスク・副作用:知覚過敏、歯肉の灼熱感、トレーの装着による吐き気やかみ合わせの不具合、薬剤を飲み込むことによる咽頭の痛みなど生じる可能性があります。

低粘性レジン浸透法によるホワイトスポット治療

ホワイトスポットとは、初期の虫歯やエナメル質形成不全などが原因で、エナメル質に白い変色が生じた状態を指します。低粘性レジン浸透法は、特殊なレジンをホワイトスポットの病変部に浸透させ、審美的な改善を図る治療法です。

症例:40代の男性。前歯の白変が気になる。

治療内容:低粘性レジン浸透法によるホワイトスポット治療

治療期間:1日間 来院回数1回

費用:1歯につき33,000円(自由診療)

スタッフ紹介

トピックス

患者様へのお願い

大学病院という特性上、当科の診療室に研修歯科医師や、臨床実習学生が立ち会うことがあります。患者の皆様におかれましては、当院が診療機関であると同時に教育機関としての役割があることを、ご理解ご協力いただきますようお願い申し上げます。